2012年02月

2012年02月16日

ミニ小説〜不動産屋の背信 第六話 策略

ミニ小説 〜不動産屋の背信 第六話 策略


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ミニ小説 〜不動産屋の背信 第六話 策略


事務所に戻った五十嵐に、上司の坪川課長が声をかける。


「どうだった、例の桜新町の案件は。」


「ちゃんと専任取ってきましたよ。」


「媒介価格はいくらだったけ?」


「媒介価格は12500万円にしときましたよ。ただ、1億円を超える案件ですから、買主とすれば自分で気に入った建物を建てたいでしょうね。そうなると、解体費まで考えなければなりませんから、ちょっと高いもしれませんね。まあ、他の業者に専任媒介契約を取られるわけにもいきませんから、多少強気の値付けにしときましたよ。」


「なるほどな。じゃあまずは、うちの支店内で持っている買主にセールスだな。」


「そうですね。」



五十嵐は、坪川課長との会話を終わらせると、藤川姉妹から入手した書類を手に後輩の高橋に声を掛けた。


「この書類でセールス用の物件概要書を作っておいてくれ。明日中にな。月曜の案件会議でみんなに出すからさ。それと、次の土曜日の朝刊に折り込みチラシも入れるから、その準備もしておいてくれよな。」


「わかりました。ところで、この案件、専任ですよね。レインズ登録はどうしますか?」


「媒介契約の日付は次の金曜日になるから、翌週の金曜日に登録しといてくれ。」


専任媒介契約というのは、ひとつの仲介業者が独占的にその売り物件情報のセールスを委託されるものだ。


この契約を仲介業者が締結した場合、その物件が速やかに市場に流通するよう国土交通省が指定する東日本不動産流通機構というところが運営する不動産業者専用の物件検索サイトに、媒介契約日から7日以内に登録する義務がある。これは宅地建物取引業法できちんと定められている。


このサイトは通称レインズと呼ばれており、これに物件を登録した段階で首都圏に存在する約65700事業所の仲介業者に売り物件の存在を知らせることができる。


売り物件の存在を知った他の仲介業者は、自分の手持ちの買主に物件を紹介したり、自社のホームページに物件を掲載したりしてその物件の買主探しをする。したがって、一社で買主探しをするより、極めて広範囲にかつ効率的に買主探しができるというものだ。


しかし、レインズに登録し他の仲介業者が買主を見つけくれた場合、五十嵐が受け取る手数料は売主の藤川姉妹からのみとなる。


五十嵐からすれば、自分で直接の買主を見つければ、売主である藤川姉妹からだけでなく、買主からも手数料を受け取ることができる。


したがって、レインズへの登録日をぎりぎりまで引き延ばし、その間に自分の手元にある買主で取引をまとめてしまいたいのだ。

ちなみに余談ではあるが、専任媒介契約を結びレインズに登録したら「登録証明書」なるものがシステム上発行され、この「登録証明書」を仲介業者は売主に渡さなければならない。いわば、『きちんとレインズに登録しましたよ』という証明だ。しかし、この「登録証明書」を売主に渡した直後にレインズ登録を抹消するとい仲介業者もいるので注意が必要だ。 



五十嵐は高橋に指示を続ける。


「それから、大雄ホーム、みかどハウス、栄建設には必ず物件を紹介しておいてくれ。それで、いくらなら買えるか聞いといてくれ。」


大雄ホーム、みかどハウス、栄建設は用賀から三軒茶屋界隈で勢いのある建売業者だ。


藤川姉妹が所有する物件は1億円を超える物件であり、一般のエンドユーザーが簡単に出てこない可能性が高い。仮に、一般のエンドユーザーが出てこないようであれば、たとえ売却価格が安くなったとしても、このような不動産業者への売却も視野に入ってくるのだ。



一通りの指示が終わると、五十嵐は藤川姉妹とのアポイントのために電話に手を伸ばした。


「もしもし、西京の五十嵐でございます。先ほどはどうもありがとうございました。次の金曜日の夜ですが、お時間があればお伺いさせてください。お預かりした書類もお返しさせていただきます。それから押印した媒介契約もお持ちしますので。その際に、藤川様のお宅の売却方法についてもご説明させていただきますね。」


アポイントを取った五十嵐は、ひと仕事終えたような笑みを浮かべ、家路についた。



※この作品はフィクションです。実際の人物、団体、事件、物件などには一切関係ありません。
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ayumiltd at 15:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)ミニ小説(不動産屋の背信)