2012年11月

2012年11月18日

ミニ小説〜不動産屋の背信 第二十二話 決心

ミニ小説 〜不動産屋の背信 第二十二話 決心


***********************************

■中古マンション購入セミナー(無料)  開講します!

普通の不動産屋さんでは教えてくれない、中古マンションを購入するために必要なノウハウを無料セミナーでご説明します。詳しくはこちらへ。


安心中古住宅売買の極意 記事検索ページはこちら

http://www.ayumi-ltd.com/blogindex/

***********************************


ミニ小説 〜不動産屋の背信 第二十二話 決心


「もしもし、美樹?」


「あっ、お姉ちゃん! どうだった?」


「うん、問題ないと思うわ。買主の今村さんは東都海上のOBなんですって。特種な人ではないみたい。」


「じゃあ、取引の相手として、そんなに心配しなくてもいいかもね。でも、ちゃんと買ってくれるかどうか心配だよね。大丈夫なの?」


菜々は、今村が出した買付証明書の内容が気になっていたのだ。


買付証明書というものは、普通なら、購入希望金額、契約予定日、決済引渡日、それに一般的な決まりごとが書かれている程度だ。素人である菜々にとっても、その程度の内容であれば理解できることだったが、例の買付証明書は常識的には違和感のある内容だった。


菜々は続ける。


「確か、今村さんの買付証明書には、『既に進めている買主との話がだめになったら声をかけてほしい』とか、『契約する前に住宅診断をさせてほしい』とか、『修繕に大幅な費用がかかる場合は、売買金額の減額を相談したい』とか書いてあったよね。」


「そうだね。でもね、畑中さんが言うには、仮に住宅診断をして問題があったとしても、建売業者の9500万円以上にはなると思うって言ってた。建物を壊して建替えなきゃだめな状態にならない限り、9500万円になることはないだろうって。」


「なるほどね。確かに、うちの家の修理に3000万円もかかるなんてことはないよね。」


「それと・・・」


美樹は言葉を詰まらせながら続けた。


「あの買付証明書だけど、あんな内容になったのには理由があるんだって。」


「理由?」


「うん、今村さんはね、随分前からうちを見学したいってお願いしてたらしいの。」


「えっ!そうなの? 前から見学したいって?」


「でね、西京さんからは、別の話が進んでいるから見学できないって言われてたらしいの。だから、やむを得ずあんな内容にしたんだって。」


「西京からそんなこと一度も聞いてないじゃない。どういうこと? わざと私たちに伝えなかったってこと?」


「たぶんそういうことになるわね。会社の友達が言うにはね、西京不動産販売は、私達から手数料をとるだけじゃなくて、西京不動産販売自身が買主を連れてきて、その買主からも手数料をとりたかったんじゃないかって。だから、今村さんの話を伝えなかったのかもって。だって、畑中さんが連れてきた買主の今村さんは、畑中さんに手数料を払うんだから。そうすると西京不動産販売は私達からしか手数料が貰えないでしょ。だから、西京不動産販売は、私達の家を見たいというお客さんがいるって畑中さんに言われても、伝える気にならなかったのかもしれないわ。」


「でもそれって、私達に対する背信行為じゃない!」


「でもね、菜々。畑中さんに言われたのよ。西京さんにも立場があるから、私が畑中さんと直接やりとりしたことは内緒にしておいたほうがいいって。そうしないとスムーズな取引ができなくなるかもしれないからって。。。」


「わかったわ。お姉ちゃん、もう10時まで時間がないわ。これから私、西京の五十嵐さんに電話するね。今村さんとの話を進めてほしいって。」


「菜々、よろしくね。」


菜々は、西京不動産販売の五十嵐が、今まで自分たちに事実を伝えてこなかったことに対して強い憤りを感じていたが、今は西京の五十嵐に対し、自分たちの考えを冷静に伝えることに意識を集中した。

人気ブログランキング


※この作品はフィクションです。実際の人物、団体、事件、物件などとは一切関係ありません。


***********************************

不動産は、人に安心と豊かさを与えるものでなければなりません。

それは、人と不動産が切っても切れない関係にあるからです。

だから当社は

「不動産を通じて豊で安心な社会を実現すること」

目的として事業を展開します。

***********************************

<運営会社>

ホームインスペクション(住宅診断)付き中古住宅・マンションの売却・購入

 株式会社あゆみリアルティーサービス

http://www.ayumi-ltd.com/

東京都中央区京橋1−14−6 ガーデニアビル9階

104-0031  TEL03-6228-7937

Email:tanaka@ayumi-ltd.com

■本内容については万全を期しておりますが、その内容の全てを保証するもの

ではありません。万が一これらの内容を各人の判断で使用したことにより損害

を被った場合、弊社は一切責任を負いかねます。

2009-2012CAyumi Realty Service All Rights Reserved.

***********************************



ayumiltd at 17:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0)ミニ小説(不動産屋の背信) 

2012年11月02日

ミニ小説 〜不動産屋の背信 第二十一話 真実

ミニ小説 〜不動産屋の背信 第二十一話 真実


***********************************

■中古マンション購入セミナー(無料)  開講します!

普通の不動産屋さんでは教えてくれない、中古マンションを購入するために必要なノウハウを無料セミナーでご説明します。詳しくはこちらへ。

安心中古住宅売買の極意 記事検索ページはこちら

http://www.ayumi-ltd.com/blogindex/

***********************************


ミニ小説 〜不動産屋の背信 第二十一話 真実


藤川美樹は、東都信託銀行本社ビル10階から8階の社員食堂に向かった。


ワンフロアのほぼ全てが食堂となっている8階は、朝9時半ころであれば人影もまばらで目立たない。


美樹は意を決してHSリアルティーに電話をかけた。


「あのう、私、東都信託銀行の藤川と申します。畑中さんいらっしゃいますか。」


「私が畑中ですが・・・」


「あっ、畑中さんですね。私、東都信託銀行の藤川と申します。弊社不動産部にいる同期の三上典子さんからお話を伺いお電話いたしました。」


「三井さんの同期なんですね。それはそれは。で、どうされました?」


「実は私、西京不動産販売さんにお願いして、桜新町の自宅を売却しようとしているんです。畑中さん、何のお話かわかりますよね。」


「ああ!あの桜新町の売主さんなんですね、藤川さんは。すると、今村様の買付証明書もご覧いただいたんですね。」


「そうなんです。でも、西京さんは、素性のわからない相手とは取引しないほうがいいと言うし、今日の朝10時までに、とある建売業者さんに9500万円で売ると明言しないと、この値段で建売業者にはかってもらえないかもしれないと迫られているんです。畑中さんが東都信託のご出身と聞いてちょっと安心したんですが、買主の今村さんがどんな方なのか分からず心配で。。。」


「うちのお客さんは東都海上火災のOBで今村様という方です。特に問題がある方ではありませんよ。」


「東都海上の方なんですか。ちょっと安心しました。でも、あの買付証明書を読むととても不安で・・・」


「そうでしょうね。ただあのような内容になったのには事情があるんです。」


「事情?」


「ここだけの話にしてほしいんですが、実は、今村様はこの物件にずっと興味をお持ちで、弊社から西京さんに物件見学のお願いした経緯があるんです。しかし、西京さんからは別に進めているお客様があると言われ、藤川さんの物件を拝見させて頂くことができなかったのです。」


「えっ!物件見学の申し込みをしていただいたんですか?」


「はい。ところが数週間経過しても、藤川さんの物件は西京のウェブサイトに掲載されたままの状態が続いていましたので、先行している買主さんとの交渉がスムーズに進んでいないかもしれないと思い、万が一、先行している買主さんとのお話がダメになった場合、今村様に検討させてほしいというメッセージを送ったというわけなんです。」


「そうなんですか。分かりました。」


美樹は一息置いて、話を続けた。


「今、建売業者さんが9500万円で買ってくれるという話があるんですが、10時までにどうするか決めないと、この話がなくなるかもしれないんです。どうしたらいいのか分からなくて・・・」


12週間くらい待ってもらえないんですか?普通ならその程度の期間、待っていただけると思うんですが・・・」


「西京の説明では待てないということなんです。ところで、畑中さんのお客さんは絶対に買ってくれるんですか?」


「それは保証できませんよ。まだ物件見学もしていないんですから。住宅診断もさせていただきたいですし。もちろん、結果として、何も問題がなければ12500万円で購入したいというご希望です。」


「問題があったらどうなるんですか?」


「問題というのは建物の劣化状況次第ですね。売主さんに修繕してもらいたい箇所がある場合、修繕費用を差し引いた価格になるかもしれません。」


「修繕費用ってどの程度ですか?」


「まずは、中を見せていただいて、住宅診断をしてみないと何とも言えません。ただ、9500万円ということは、12500万円と3000万円の差ですよね。今お住まいになっていて、雨漏りがひどいとか、家が傾いているとか、柱が朽ちているということがないなら、そんなに大きな金額がかかるとは思えません。仮に、どうにもならない欠陥が見つかった場合、3000万円の修繕をするより建替えたほうがいい。3000万円なら、解体費用を含めても十分な金額ですからね。だから、9500万円というのは最低ラインの金額ということになると思いますよ。」


「解りました。ちょっと妹と相談してみます。」


電話を切ろうとした美樹を遮るように、畑中が付けくわえる。


「藤川さん、今日こうやって私と直接話をしたことについて、西京には言わないほうがいいですよ。西京さんにも立場がありますし、気分を害されてしまうと今後スムーズなやりとりができなくなってしまうかもしれないので。」


「解りました。有難うございます。」


そう言って、美樹は電話を切った。そして急ぎ、妹の奈々に電話をする。
 

人気ブログランキング


※この作品はフィクションです。実際の人物、団体、事件、物件などとは一切関係ありません。


***********************************

不動産は、人に安心と豊かさを与えるものでなければなりません。

それは、人と不動産が切っても切れない関係にあるからです。

だから当社は

「不動産を通じて豊で安心な社会を実現すること」

目的として事業を展開します。

***********************************

<運営会社>

ホームインスペクション(住宅診断)付き中古住宅・マンションの売却・購入

 株式会社あゆみリアルティーサービス

http://www.ayumi-ltd.com/

東京都中央区京橋1−14−6 ガーデニアビル9階

104-0031  TEL03-6228-7937

Email:tanaka@ayumi-ltd.com

■本内容については万全を期しておりますが、その内容の全てを保証するもの

ではありません。万が一これらの内容を各人の判断で使用したことにより損害

を被った場合、弊社は一切責任を負いかねます。

2009-2012CAyumi Realty Service All Rights Reserved.

***********************************




ayumiltd at 16:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)ミニ小説(不動産屋の背信)