2010年05月11日
仲介業界の問題を踏まえた「売主・買主の取るべき対応」2
仲介業界の問題を踏まえた「売主・買主の取るべき対応」2
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仲介業界の問題を踏まえた「売主・買主の取るべき対応」2
前回お話したとおり、仲介業者さんは、売主から手数料が確実に取れるようにするために、専任媒介契約や専属専任媒介契約を売主に勧めます。
そして、専任媒介や専属専任媒介契約を結んだ場合、仲介業者さんは、レインズ(REINS)という「仲介業者間の不動産情報交換用コンピューター・ネットワーク・システム」に登録しなければならないことになっています。
このシステムは、広く売り物件情報を全国の仲介業者さんに知らしめ、迅速に売買取引を成立させようというものでした。
ところが、仲介業者さんからすれば、何としてでも「両手」にしたいわけです。
「片手」は売主・買主どちらか一方から手数料をもらうことでしたね。「両手」は双方から手数料をもらえるので、2倍の儲けです。
ですからこんなことがしばしば起こります。
例えば、私がある買主さんの仲介業者として、レインズを使って売り物件を検索したとします。
そして、その売り物件を取り扱っている仲介業者さんに、その物件が売却済でないかどうか問合せします。
すると、「商談中なのでご紹介できません」と言われることがあるのです。商談中ということは、売却済ではないけれど具体的な買主が現れて、契約条件等を交渉している、ということです。
本当に商談中ということもあるかもしれませんが、1週間後、2週間後、3週間後に連絡しても同じような回答をされることがあります。
もし、他の仲介業者さんから紹介された買主さんと取引しても構わない(「片手」でも構わない)と思っていれば、仮に商談中でも、「だめになったらすぐに連絡しますので、連絡先を教えてください」と私に言うはずなんですが・・・。
つまり、他の仲介業者から紹介された買主とは取引するつもりがないのです。やはり「両手」を狙っているのです。
仲介業者である私のお客さん(買主さん)は、売主さんの希望する価格で買いたいと言っているにも関わらず。。。
恐らく、売主さんも、売却希望通りで買いたいという話を聞けば、すぐにでも取引しましょうということになるはずなんですが、そもそもその話は売主さんには伝わらないのです。
これでは、「広くかつ迅速に取引が成立する」ことを目的にしたシステムとして意味がないことになります。
もっと言ってしまえば、売主さんに対する背任行為(!?)とも言えるかもしれません。
しかし、事実としてこうしたことが起こっていますし、こうしたことが問題だと認識している仲介業界の方も多くいらっしゃいます。
もうひとつ、一般媒介契約を結ぶときにも問題があります。
一般媒介契約を結ぶにしても、一般媒介契約というものが、
◇「複数の仲介業者さんに物件の買主探しをお願いできる」
◇「レインズに登録する義務がない」
ということを売主さんが理解したうえで、1社だけと一般媒介を結ぶなら問題ないのです。
問題なのは、仲介業者さんが「一般媒介の具体的な内容や意味」を売主さんにきちんと説明していないことが多いということなんです。
何も知らない売主さんは、一般媒介を締結したとはいっても、実際は1社の仲介業者さんだけに売却を依頼したことになります。
そうです、実質的には専任媒介と変わりありません。しかも仲介業者さんはレインズに登録する義務もありませんから、この仲介業者さんは売り物件情報を完全に1社で囲い込むことができるわけです。
もちろん、売主さんが、「自宅を売っているということをあまり知られたくない」と仰るような場合には、一般媒介を締結して、限定的に買主探しをすることもありますが。
このように、現在の売買の仲介システムは、
◇売主さんからすれば、よりよい買主がそこにいるにも関わらず、買主を紹介してもらえない
◇買主さんからすれば、そこによい物件があるにも関わらず、情報を提供してもらえない
ということが起こりうる状況にあるわけです。
こうしたことから、広く当たって迅速に売却を進めたい売主さんは、以下のようにするとよいのです。
◇専任媒介や専属専任媒介は結ばない。
◇一般媒介を2社〜3社と締結し、レインズ登録もお願いする。
こうすれば、仲介業者さんが売り物件情報を囲い込む(両手を狙う)ことがなくなり、スムーズに買主さんが見つかると思います。
(ちなみに、弊社で売り物件を取り扱う場合は、一般媒介でレインズに登録させていただくようお願いしています。)
一方、買主さんはどうすべきでしょうか。
これは、以前にもお話したとおりですが、購入意思を明確にして、複数の仲介業者さんにお願いしたり、物件検索ウェブサイトを通じて仲介業者さんに問い合わせるという方法が一番よいと思います。
詳しくはこちらをご覧ください。
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