2012年06月25日
ミニ小説 〜不動産屋の配信 第十三話 内輪もめ
ミニ小説 〜不動産屋の背信 第十三話 内輪もめ
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ミニ小説 〜不動産屋の背信 第十三話 内輪もめ
「誰だ!桜新町の住所を業者に教えたやつは。」
HSリアルティーの畑中と名乗る男からかかってきた電話を切るやいなや、五十嵐は叫んだ。
「私です。すみません。。。」
「高橋、お前かよ。商談中って言えといったろ。なんでそんな余計なことするんだ。」
「すみません。でもこの物件、なかなか一般のユーザーが興味を持つことはないだろうと思ってんですが、かなり本気な感じの話だったので・・・」
「馬鹿野郎!どこの馬の骨が判らないような仲介業者に物件の住所を教えたら、直接所有者のところに行かれちまうだろ。専任媒介の期限が切れるころを見計らって、売主に耳当たりのいいこと言いながら、専任を獲られちまうかもしれないじゃないか。」
五十嵐は堰を切ったようにまくし立てる。
「だいたいから、客がいるなんて嘘かもしれないじゃないか。中小零細の仲介業者なんていうのは、いい客がいるって嘘をついて、俺達大手が苦労して獲得した売主に近づこうとするような連中なんだ。」
「すみません。でも、万が一、本当にいいお客さんだったら、売主さんのためにもなるかもしれないと思って・・・」
「お前な、いいお客ってのは、うちに直接依頼してくれたお客、つまり属性や素性の判っている客のことを言うんだ。その辺の中小零細仲介業者が連れてくる客なんて、仮にいるとしてもろくなもんじゃない。契約したはいいが、ローンが通らないことだってある。もしそういう客と契約して、あとでトラブルになったら、お前、責任を取れるのか?」
「・・・・・」
「とにかく、ここからがすごく大事な時期なんだ。どんなに努力しても、まともな一般ユーザーが見つからないということを売主に説明しながら、建売業者に売るしかないということを理解してもらう段階に来てるんだ。」
「はい。。。」
「それに2社の建売業者からは、買付証明をもうもらってあるんだ。みかどハウスからは8600万円、栄建設からは9000万円っていう買付証明だ。これを使って、売主に売れる最低価格ラインを認識させるんだ。」
「・・・」
「実は既に、一番高い価格を出す力がある大雄ホームと握ってるんだ。栄建設の買付価格に上乗せして買付を出してもらうっていう約束だ。大雄ホームがこの物件を買ったら、2区画の建売で分譲する。その時の仲介はうちでやる約束にもなっている。大雄ホームは9500万円くらいまでなら出せると言っているから、ここで纏めてしまうのが、売主にとっても一番いいはずなんだ。」
高橋は、HSリアルティーの畑中が持っている買主が、かなり真剣にこの物件を検討したがっているような気がしてならなかったが、これ以上五十嵐に反論しても無駄だと悟り、口を噤んだ。
※この作品はフィクションです。実際の人物、団体、事件、物件などには一切関係ありません。
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