2010年10月
2010年10月29日
中古戸建・中古マンション売買 売買契約書のチェックポイント4(瑕疵担保責任1)
中古戸建・中古マンション売買 売買契約書のチェックポイント4(瑕疵担保責任1)
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中古戸建・中古マンション売買 売買契約書のチェックポイント4(瑕疵担保責任1)
「瑕疵担保責任」も契約条文の中ではともて重要な条項です。
一般的には次のような文になっています。
(瑕疵担保責任)
後記表示不動産について隠れた瑕疵があったときまたは、第三者からの請求があったときは、第●条規定の引渡し日より3ヶ月に限り、売主が責任を持ってこれを処理し、買主に迷惑をかけてはならない。
「瑕疵担保責任」は、「瑕疵の責任」というタイトルになっていることもあります。所謂「隠れた瑕疵」に関する責任の所在を明確にするものです。
買主が「隠れた瑕疵」をある一定の期間内に発見したら、売主は修繕するなどの処理をする責任を負います、ということですね。
民法上では、566条3項によって、瑕疵担保責任が追及できる期間は、買主が瑕疵を知ったときから1年間となっていますが、中古住宅の売買取引では、物件の引渡日から3ヶ月に限定されていることが多いようです。
なお、売主が不動産会社(宅地建物取引業者)である場合には、引渡日から2年以上の期間について瑕疵担保責任の負担を負わなければならないことになっています(宅地建物取引業法第40条)。
次回は、「瑕疵」や「隠れた」という言葉の意味についてお話します。
これが意外に重要なんです。
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それは、人と不動産が切っても切れない関係にあるからです。
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2010年10月26日
中古戸建売買 売買契約書のチェックポイント3(担保責任2)
中古戸建売買 売買契約書のチェックポイント3(担保責任2)
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中古戸建売買 売買契約書のチェックポイント3(担保責任2)
不動産売買契約書にある「担保責任」(「負担の消除」とか「抵当権等の抹消」ともいう。)とは、
売主が買主に不動産を引き渡す以上、完全な所有権を引き渡さなければならないという、極めて当たり前の約束で、民法上の規定そのものです(566条)。
一般的には、その物件についている抵当権や根抵当権、差押えなどの登記を抹消することと思われていますが、
隣地所有者の樹木の枝、ブロック塀や建物の庇(ひさし)などが、売買対象となる敷地に越境している場合、完全な所有権という状態とは言えませんので、売主はこれらすべてを撤去させた上で買主に不動産を引き渡さなければならないことになります。
このような場合、どうしたらよいのでしょうか。一般的には3つの方法が考えられます。
(1)隣地の人に越境しているものを全て撤去してもらう
隣地の人が了解してくれれば、この方法を選択できます。買主も納得できる方法です。
しかし、樹木の枝は、隣地の方にお願いすれば、切らせてもらうことができるかもしれませんが、ブロック塀や建物の庇などは、現在、隣地の方が利用しているものですから、壊すことを了承してもらえそうにありませんね。
無理な交渉や強引な交渉をすれば、隣地の方と大揉めに揉めてしまうでしょう。
ともすれば、時効取得を主張されてしまうかもしれません。(他人の敷地だと知っていて20年間占有するか、他人の敷地だと知らずに10年間占有すれば、時効取得が成立する。)
(2)境界線を手前に引っ込めてしまう
隣地の方が、越境している塀や庇を壊してくれそうになければ、売主が境界線を手前に引っ込めてしまえば問題はなくなります。
しかし、売主からすれば、自分の資産が他人の越境によって減少することに納得できないかもしれません。
また、売主が所有している建物が、敷地面積の減少により、既存不適格建物になってしまうかもしれませんので注意が必要です。
特に、敷地面積の減少により、結果的に建ぺい率や容積率を超過した建物(既存不適格建物)となってしまうと、買主にとって住宅ローンが通りにくい物件となるため、売りにくくなってしまいます。
逆に、買主は、多少、土地の面積が減少しても、売買の目的を達成することができると思えば、納得できる話でしょう。
(3)隣地の方と「将来撤去の覚書」を締結する
隣地の方と売主で、「将来撤去の覚書」を締結します。
覚書の内容は、以下のイメージです。
◇隣地所有者のブロック塀や庇などが、売主の敷地内に越境していることを隣地所有者と売主とで、お互いに確認します。これによって時効取得の成立を防ぎます。
◇その上で、隣地所有者が、自己の所有土地建物を第三者に売却する際や建て替えを行う場合には、現在ある越境状態を解消(越境している部分を撤去)する旨の約束をします。
この方法は、買主に覚書の内容を納得してもらうことが前提となりますが、実務上はこの方法で買主に了解してもらっているのが一般的です。
少なくとも、隣地所有者の建物や構築物が、微妙に越境しているという時に、このような方法が選択されます。
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2010年10月22日
中古戸建売買 売買契約書のチェックポイント3(担保責任1)
中古戸建売買 売買契約書のチェックポイント3(担保責任1)
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中古戸建売買 売買契約書のチェックポイント3(担保責任1)
不動産売買契約書には、必ず「担保責任」という条文があります。
一般的には次のような条文になっています。
<担保責任>
売主は後記表示不動産について、第●条規定の所有権移転登記申請のときまでに、自己の責任と費用負担にて、抵当権その他一切の担保物権、賃借権、利用権、請求権、その他名目如何を問わず、買主の完全な所有権の行使を阻害する一切の負担を消除する。
「担保責任」は、契約書上、「負担の消除」とか「抵当権等の抹消」というタイトルになっている場合もあります。
「担保責任」の意味は、売主が買主に不動産を引き渡す以上、完全な所有権を引き渡さなければならないという、極めて当たり前の約束で、民法上の規定そのものです(566条)。
ここで言う「一切の負担」は、「所有権という権利を侵害するような負担」を意味しますので、当然ながら、公法上の規制(都市計画法や建築基準法などの制限)については含まれません。
さて、実際の取引において一般的に認識されているのは、その物件についている抵当権や根抵当権、差押えなどの登記を抹消することでしょう。
買主としては、抵当権付きの物件を買ってしまうと、いつ競売されてしまうか解りません。だからこそ売主は、抵当権をきちんと抹消してから(借入金を返済してから)、買主にきれいな物件を引き渡します。
ところが、案外認識されていないのは、隣地所有者の樹木の枝、ブロック塀や建物の庇(ひさし)などが、売買対象となる敷地に越境しているケースです。
担保責任条項の主旨からすれば、売主はこれらすべてを撤去させた上で買主に不動産を引き渡さなければならないことになります。
よく、「現況有姿にて引き渡す」という表現が契約書上にあれば、担保責任から逃れられると誤解している方が(仲介業者さんを含めて)いらっしゃいますが、これは間違いです。
現状有姿売買は、
◇契約後引渡までに目的物の状況に変動があったとしても、売主は引渡時の状況のままで引き渡す債務を負担しているにすぎない、
という趣旨を示すために用いられており、それ以上の意味を含むものではないという解釈が通常です。
このように、売主にとって、「担保責任」はとても重い話です。
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2010年10月19日
中古戸建売却 測量するならついでにやっておきたいこと
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中古戸建売却 測量するならついでにやっておきたいこと
自分の土地が私道に面している場合のお話です。
自分の土地を売ろうとするならば、事前に測量をし、その境界線と境界点について、自分の土地と隣接する方々の合意を得ておく必要がある、というお話をしましたね。
自分の土地が私道に面している場合でも、その私道を持っている方と、境界線と境界点について合意するわけです。
その際、是非ともやっておいていただきたいことがあります。
その私道を事由に通行することについての承諾(通行承諾)と、上下水道管やガス管工事の際に事由に掘削できることについての承諾(掘削承諾)をもらっておくことです。
公道(市町村などが所有する道路)ならばなんの問題もありませんが、私道は他人の所有地ですから、場合によっては、その道に入るな、とか、勝手に掘削するな、とか所有者から言われる可能性があります。
ですから、測量をする際に、私道所有者の方に対して、ついでに「通行承諾」と「掘削承諾」も書面でお願いしてしまうとよいのです。
できれば、売る気がない時点から、自分の資産を管理するという意味で測量を行い、これらの承諾を一緒にもらってしまうのが一番よいと思います。
売るということが判ると、人によりますが、ごねる方もいらっしゃいますし、足元を見る方もいらっしゃいますので。
早目早目に対応しておくと、いざ売却というときにとても売りやすくなります。
やっぱり、土地も建物も常に意識して管理しなければなりませんね。そうすれば、価値の目減り率も減るんですよ。
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2010年10月15日
中古戸建売買 売買契約書のチェックポイント2(測量図と境界明示4)
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中古戸建売買
売買契約書のチェックポイント2(測量図と境界明示4)
中古戸建の売買では、売買の対象となる土地の範囲を明確にする必要があります。
土地の範囲を明確にするというのは、お隣さんとの境界線と境界点をお隣さんとともに合意しているということが重要です。
ですから、売るにしても買うにしても、まずは測量図の有無を確認し、その測量図をもとに、お隣さんと境界線・境界点について合意した「境界確認書」があることを確認する必要があります。
そして、前回、「境界確認書」の作成年月日があまり過去のものでないほうがよいということをお話しました。
次に確認すべきポイントは、境界確認書の記名押印です。
手書きで隣地所有者が署名し、実印が押印されており、印鑑証明書のコピーまで添付されていれば完璧です。
ただ、簡単に実印を押すということはあまりありませんので、認め印でもOKです。
ただし、認め印の場合は、隣地所有者がご自身の手で署名されているもののほうが安心です。認め印の場合は、ワープロなどで住所や氏名が書かれていない、直筆のものを作成したほうがよいと思います。
ところで、作成年月日からかなり時間が経過している場合は、測量した時期もかなり昔の話になるはずです。
測量図の右下を見てみると、作成年月日と測量士の名前と押印が記されています。
測量時期がかなり昔だと問題なのは、土地の境界点を示す境界杭やプレート、鋲などが、時間の経過とともにズレが生じたり、塀などの改築などにより、これらの明示物が滅失・移動してしまったりすることがあるということです。
隣地所有者の方が、ズレてしまった杭や鋲を境界点と信じて、一定期間、売買対象となる土地を勝手に占有していれば、時効による占有部分の取得を主張されることもあります。
ですから、このような場合、新たに測量をしなおし、ズレが生じていないか確認する必要があります。
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2010年10月12日
中古戸建売買 売買契約書のチェックポイント2(測量図と境界明示3)
中古戸建売買
売買契約書のチェックポイント2(測量図と境界明示3)
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中古戸建売買
売買契約書のチェックポイント2(測量図と境界明示3)
前回、測量図があるからといって、安心できるものではないという話をしましたね。
それは、隣地所有者がその測量図に基づいて、境界線と境界点を認めてくれているのかどうかが判らないからです。
もし、隣地所有者がその測量図に基づいた境界線と境界点を認めているのであれば、「境界確認書」という書類があるはずです。
しかし、境界確認書があるというだけでは、完全なチェックにはなりません。
まずは、「境界確認者が作成された時期」をチェックしなければなりません。
境界確認書は、「測量図の赤線部分が、お互いの境界線と境界点ということで確認し合いました」といった書類で、確認した年月日と双方の記名押印がなされています。
もし、作成年月日があまりに古い場合は、相続や売買などで隣地所有者が変わっている可能性があります。
そして、現在の所有者は、前所有者がその境界線で合意しているという事実を知らずに、隣地を所有しているかもしれません。
このような場合は、境界紛争に巻き込まれる可能性があります。
なお、隣地所有者が、市区町村や都道府県、国などの場合(隣地が道路などの場合)、官民境界査定書という書類が作成されますが、これについては、時期の確認はさほど必要とはなりません。
地方公共団体は自分の土地を第三者に売却したりすることはまずありませんし(もちろん、所有権が誰にあるのか登記記録で確認する必要はあります)、自然人のように相続が発生することもありませんので。
次に「境界確認書」でチェックすべきことは・・・(次回に続く)
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2010年10月08日
中古戸建売買 売買契約書のチェックポイント2(測量図と境界明示2)
中古戸建売買
売買契約書のチェックポイント2(測量図と境界明示2)
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中古戸建売買
売買契約書のチェックポイント2(測量図と境界明示2)
土地を売買する以上、その土地が、どこからどこまでが所有権の範囲なのか、はっきりさせておく必要があります。
買主からすれば、どこからどこまでが所有権なのかはっきりしたものを購入したいですし、お隣さんから、「この境界線は違います」と後から主張されても困ります。
売主も、売却したあと、訴訟トラブルなどに巻き込まれる可能性があるため注意しなければならないポイントです。
ですから、一般的には、専門家に測量をしてもらい、その測量図を基に、お隣さんに対して「この境界線と境界点で問題ないですよね」と確認した上で、物件を最終的に引き渡すことになります。
ところで、測量で問題になるのは、「過去に作った測量図があるし、境界杭もきちんと入っているので、今回は測量をしないで取引しましょう」としてしまうケースです。
仲介業者さんから、「測量図はあるし、境界杭もあるから問題ないでしょう」と言われて、売主も買主も、なんとなく安心して売買してしまうのが、実は一番怖かったりします。
なぜなんでしょうか?
まず、隣地所有者がその測量図に基づいて、境界線と境界点を認めてくれているのかどうかが判りません。
勝手に売主が考えている土地の範囲を測量した「現況測量図」だとすると、買った後にトラブルに巻き込まれないとも限らないわけです。
したがって、その測量図が、「確定測量図(隣地所有者も境界線と境界点について合意した測量図)」であることを確認しなければなりません。
その確認のためには、「境界確認書」の有無を確認することです。
「境界確認書」とは、
「測量図の赤線部分が、お互いの境界線と境界点ということで確認し合いました」という内容の書類で、双方の記名押印がなされています。
過去に作った測量図があっても、その測量図基づいて、隣地所有者との境界承諾印のある「境界確認書」が作成されたことを確認できない限りは、安易に売買取引できないわけです。
ちなみに、隣地所有者が、市区町村や都道府県、国などの場合(隣地が道路などの場合)、官民境界査定書という書類の有無を確認することになります。
次のチェックポイントは・・・(次回に続く)
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2010年10月05日
中古戸建売買 売買契約書のチェックポイント(測量図と境界明示1)
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中古戸建売買
売買契約書のチェックポイント2(測量図と境界明示1)
一戸建ての売買は、土地と建物を一体とした売買契約になりますが、売買する以上、その土地が、どこからどこまでが所有権の範囲なのか、はっきりさせておく必要があります。
買主からすれば、どこからどこまでが所有権なのかはっきりしたものを購入したいですし、お隣さんから、「この境界線は違います」と後から主張されても困ります。
売主も、売却したあと、訴訟トラブルなどに巻き込まれる可能性があるため注意しなければならないポイントです。
ですから、一般的には、専門家に測量をしてもらい、その測量図を基に、お隣さんに対して「この境界線と境界点で問題ないですよね」と確認した上で、物件を最終的に引き渡すことになります。
そして、その測量結果に基好き、契約時点の面積と異なれば、契約書で取り決めた1平方メートルあたりの単価で売買代金の調整をします。
契約条文としては、以下のようなイメージです。
第○条 売買代金
1.売買代金は金●円とする。
2.ただし、後記表示不動産の表示は不動産登記記録によるものとし、後記売買土地の面積が第△条規定の実測の結果、後記表示面積と相違したときは、第◇条規定の決済期日に増減面積1平方メートルにつき金▲円の割合で売買代金を精算する。
第△条 実測・境界明示
1.売主は、自己の責任と費用負担において第◇条規定の決済のときまでに、資格ある測量士または土地家屋調査士に後記売買土地の確定実測図を作成させ、その実測面積に基づき、売主および買主は、第○条ただし書きによる売買代金の精算について別途書面にて確認する。
2.売主は、前項の実測に基づく隣地との境界線および境界点について、第◇条規定の引渡のときまでに買主に明示するとともに、前項規定の実測図および隣地所有者との境界承諾印のある境界確認書(官民境界査定を含む。)を買主に交付する。
契約書にここまで書いてあれば、まず殆ど問題になることはありません。
ところで、測量で問題になるのは、(次回に続きます)
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2010年10月01日
中古マンション・中古戸建売買 売買契約書のチェックポイント1(手付金5)
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売買契約書のチェックポイント1(手付金5)
上場不動産会社が倒産していた時期、よくご質問されたのが、
「手付金は支払ったけれど、売主が倒産したらどうなるの?」
「手付金はちゃんと返ってくるの?」
「どうすれば、手付金が返ってくるようにできるの?」
という話でした。
大手でさえも、突然倒産する時代ですから、中小の不動産会社さんから住宅を購入する場合、手付金がきちんと返還されるか、どうしても気になるという方は多いと思います。
また、売買対象となる物件に、売買金額以上の抵当権などが付いている場合には、買主は売主の資力について十分注意する必要があるでしょう。
特に、手付金額が、宅地建物取引業法上の保全をせずに済む金額(完成物件の場合、売買金額の10%以下かつ10百万円以下)である場合はとても気になるところですよね。
今回は、売主の財務状況に懸念がある場合、万が一の場合でも手付金が返ってくるようにするための手法についてご説明します。
不動産売買契約におけるお金の流れは、厳密に言うと、
◇契約時に手付金を売主に預ける。
◇決済・物件引渡の時に売買代金全額を支払う。
◇預けた手付金を返してもらう(実際は、預けた手付金を、この時点で売買代金の一部として充当するので、実際に現金が戻ってくるわけではありません)。
という流れになります。
だから、物件を引き渡してもらうまでは、「手付金を返してくださいと請求する権利」を買主は持っているわけです。
これを手付金返還請求権と言います。
この手付金返還請求権を担保するために、質権設定という手続きを行います。
質権というのは、質屋さんをイメージしていただけると解ると思います。
お金を借りるために、時計を質に出します(このとき質権設定契約がなされます)。
時計の所有権はお金を借りた人のままで、質屋さんは時計を「留置」している状態です。
決まった期限までにお金を返せなければ、質屋さんは時計を売って貸したお金を回収することができます。
具体的な手続きは次の通りです。
まず、契約時に、買主は売主に対して手付金を支払います。
売主は、直ちに、その手付金全額を、銀行に預金し、「預金証書」を作ってもらいます。
売主と買主は、買主が持っている手付金返還請求権を担保するために、売主が銀行に対して持つ「預けた預金を払い戻してくださいと請求する権利」(預金返還請求権)に対して、期間を売買不動産の引渡までとする「質権設定契約」を結びます。
一方、売主と買主で質権設定契約を結ぶだけでは、何も知らされていない銀行は、預金の払い戻しに応じてしまうかもしれませんので、質権設定承諾書という書類(大抵は各銀行に定型の書類としてあります)に売主と買主が署名押印して銀行に承諾してもらう必要があります。
そして公証人役場に行き、質権設定契約書と質権設定承諾書に確定日付を貰いに行きます。
確定日付を貰いに行くのは、第三者に対抗するためです(このあたりは難しいので、担保を完璧なものにする(他人から一切文句を言われないようにする)ためと思ってください。)。
こうして、預金証書を売主から買主に引渡し、留置してもらいます。
手付金返還請求権を担保するということは、手付金(預金証書)は売主のものですが、買主と質権設定契約を結んで、預金証書(預金の払い戻し請求権)を買主に留置させるということなのです。
物件の引渡時には、買主から質権解除通知を銀行に提出して、質権を解除し、預金証書を買主から売主に返却します。
手付金について、このような処置をするよう交渉することは、ある意味で、売主の資力を信用しない、ということに繋がりますので、交渉は慎重に行う必要があるでしょう。
一般的には、売主が中小の不動産業者で、売買物件に売買金額以上の抵当権などが付いている場合などに限られるかもしれません。
売主が個人の場合には、この手続きの意味について理解できる相手でないと、「そんな面倒なことをするなら売らない」と言われてしまうかもしれませんので、注意してください。
あくまで、売主さんとの交渉が必要であることを認識しておいてください。
ちなみに、法的には完璧な担保とはなりませんが、手付金を決済引渡まで仲介業者に預けるということも実際にはあるようです。
この場合は、売主さん、買主さんが、仲介業者さんをどこまで信用できるかどうかにかかってきますが。
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