2011年01月04日
中古住宅購入 金利上昇の時期は?
中古住宅購入 金利上昇の時期は?
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中古住宅購入 金利上昇の時期は?
新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
昨年は年末年始に「住宅ローン金利は今後どうなる?」という記事を書いたのですが、(結果的に)まずまず当たっていたこともあり、「今年は何か書かないの?」とのご指摘をとある読者の方から頂くに至り、今年も書くことにしたいと思います。
(ご参考)昨年の年末年始の記事(住宅ローン金利は今後どうなる?1・2)
http://ayumi-ltd.livedoor.biz/archives/2102549.html
http://ayumi-ltd.livedoor.biz/archives/2107537.html
さて今年は、「金利上昇の時期」という話について、戯言を書くことにしました。
今年の年末年始における新聞やテレビなどの論調からすると、今年のアメリカ経済は概ね回復傾向にあり、これに引っ張られるようにして、日本経済も今年中盤頃には回復に向かうとの見解が多いようです。
金利上昇の予測については、昨年の記事の中で、「日本での量的緩和解除があるとすれば、米国経済が頭をもたげた後、それに釣られるように日本経済が回復したタイミングだろう」とお話しました。
そして、日本経済が回復するタイミングは、今年の中ごろから末ごろで、そのころに、良い意味での金利上昇が起こりうると予想しました。
ただ、これが実現するためには、
1.アメリカの雇用環境が改善する
2.日本の政局が安定し成長戦略が具体化する
3.ヨーロッパの金融危機が顕在化しない
という三つの要素が必要だと思っています。
ですから、金利を読む以上は、国内の金利動向だけでなく、これらの要素にも留意が必要だろうと思います。
さて、昨年の記事では日本の財政破綻懸念に伴う金利上昇という話もしていますが、時期については明確なお話をしていませんでした。
これについて、私は10年〜15年後くらいに、国内財政上の理由から金利が上昇すると考えています。
簡単に申し上げると、
1.日本の政局が不安定で、税制改革と社会保障改革がなされず、巨額の財政赤字がこのまま改善しない中で、
2.今後5年程度で経常収支が赤字になり、資金を海外から頼らざるを得ない土壌が出来上がるとともに
3.人口減少と高齢化の進展で、日本の家計の金融資産が減少していくことで、今後10年〜15年程度で国内での国債消化が厳しくなり
4.金利は上昇せざるを得なくなる
というシナリオです。
まず、経常収支(貿易サービス収支+所得収支)が近い将来には赤字になるのではないかという話から。
日本の高度成長期から80年代後半までは、経常収支は大幅黒字で、アメリカとの貿易摩擦はまさにこれが原因で発生していました。つまり、経常収支黒字の殆どは貿易サービス収支の黒字によるもので、メイドインジャパンは世界中で売れに売れた時代だったわけです。
一方最近は、貿易サービス収支の割合が相対的に低下し、2005年以降、貿易収支は所得収支よりも少ない額になり、09年に所得収支は貿易収支の2倍程度(12兆円)にまで伸びてきます。
所得収支とは、海外に投資した結果、日本に還流する配当などの利益ですが、日本の企業が海外に工場を移転していることを考えると頷けます。
日本人よりも、安い給料でよく働く有能な労働力が新興国を含めた海外にあることと、1ドル80円前半という円高水準であることから、高度成長期時代のような輸出立国というわけにはいかず、日本企業が海外に拠点を移し、海外から逆輸入する形に大きく変化した結果です。
リーマンショック以降の国際的な金融政策のうねりの中で引き起こされています。
次に、貿易サービス収支を悪化させる大きなもう一つの要因である円高です。
昨今の円高は、
リーマンショック後のFRB、ECB、日銀のバランスシート膨張率でみても、前2者は2倍から3倍、日銀は数%程度です。
つまり、米欧ともにリーマンショック後に思いきりお札を刷りまくったのです。一方、日銀はこれに合わせた金融政策を実行していません。当時、国際的にみても日銀のバランスシートは大きく膨らんでいたこともあり、下手にバランスシートを膨らませて金融市場を歪めたくないという思いが強かったのだろうと思います。
しかしその結果が、昨今の円高です(たくさんお札を刷った国は通貨が相対的に安くなるとイメージしてください)。
これではまずい(日本の輸出企業がだめになる)ということで、昨年9月、日銀も動きました。6年半ぶりの2兆円にのぼる円売り介入です。この介入でも円高の勢いは止まらず、10月にはETFやREITまで買い取る異例の金融緩和策を発表しました(5兆円規模)。
しかし、FRBはその後、もっとすごいことを言い出した。2011年の6月までに60兆円規模の金融緩和を行う(ドル札を刷りまくる)というのです。
まだまだ米国が大規模な金融緩和をするということですから、円高はしばらく続くということになるでしょう。
このまま円高水準が続くようだと、当然ながら貿易収支はどんどん縮小するでしょう。
さらに、日本国内は人口減少と高齢化が深刻になりますので、労働力が低下する一方、消費人口は相対的に増加します。すると、より多くの輸入に頼らざるを得なくなるため、さらに貿易収支は悪化し、赤字に陥るかもしれません。そして、所得収支でリカバーできなくなるのも時間の問題と言われています。
経常収支が赤字になると、国内家計に多額の金融資産がない限り、資金を海外に求めざるを得ないことになります。資金を海外に求めざるを得ないということは、ちょっとした経済変動で、金利は大きく振れるということを意味します。
ちなみに、証券会社等の経済アナリストの中には、日本の経常収支が赤字になるのは、早ければ5年程度と予測する方もいらっしゃいます。私もこの意見に賛成です。
次に問題になるのは、日本の財政悪化と日本の預貯金(家計の金融資産)の減少です。
まず、日本の財政状況ですが、国と地方の借金合計で約1000兆円、これがGDPの2倍超ということで、OECDから財政危機リスクのある国と指摘されてしまっている状況です。
とは言え、これから増えるであろう国の借金(国債残高)は約600兆円程度で、これに対して、家計の金融資産は約1400兆円です。負債を除いた純資産で約1000兆円もあります。
ですから、現時点では、まだ家計の純資産にゆとりがあり、浮いた家計の金融資産を預かっている銀行が国債運用に回すことが予想できるため、しばらくは国債を発行しても、低金利で完売できると言われています。
しかし、みずほ総合研究所によれば、消費税等の税制改正がなければ2025年には家計の金融資産と国債残高が同額になってしまうと推計していますし、もっと厳しい推計をしている民間調査会社もあります。
結果として、このまま国債発行が続き(財政悪化が進み)、一方で、家計の純資産が減少していく中では、いずれかのタイミングで、家計の金融資産で国債が消化できなくなる時期が到来することが予想できます。
そうなると、国債の消化は、経常収支黒字でなければ、海外からの資金に頼るしかありません。
海外の投資家からすれば、OECDが「日本は財政危機リスクあり」という烙印を押しているので、これまでのような低金利でお金を出すはずはありません。当然、高い金利を要求するでしょう。
なんだか長くなってしまいましたが、近い将来金利は必ず上昇する可能性が高いということです。
住宅ローンを使って住宅を購入する方は、是非、今後の金利上昇を踏まえて、まずは全期間固定金利のローン商品を前提に検討を進めてほしいと思います。もちろん、返済余力がある方は、変動金利でも構いませんが。。。
また、金利上昇によって投資用不動産はその価格が下がる傾向にありますので、不動産投資を検討している方も、中長期的な視点でご検討されることをお勧めします(金利が上昇すれば債券価格が下がるのと同じようなことです)。
単に箱(土地と建物)を借家人付きで買うという考え方では、今後の金利上昇を乗り切るための賃貸事業経営は行えません。
是非、一度立ち止まって、気軽に投資することはせず、事業を行うという視点で検討していただきたいと思います。
両方ともクリックして頂けると嬉しいです(応援お願いします!)。
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